学問の歴史

(1) メソポタミア・エジプトの学問
・文字（楔形文字、ヒエログリフ）の発明により、記録と知識の蓄積が可能に。
・天文学、数学、医学、行政管理（法律・税制度）が発展。

(2) ギリシャの学問（紀元前6世紀～紀元前4世紀）
・哲学（Philosophy, 知を愛する学問）が誕生。
・自然哲学者（タレス、ピタゴラス、ヘラクレイトス）が万物の根源を探究。
・ソクラテス 倫理学を発展させ、「無知の知」を説く。
・プラトン 『国家』において哲人王を理想とし、アカデメイア（学園）を設立。
・アリストテレス 論理学、生物学、政治学、修辞学など、多様な学問を体系化。

(3) ヘレニズム時代とローマの学問
・アレクサンドリア図書館が設立され、膨大な知識が蓄積。
・ユークリッド 『原論』を執筆し、幾何学の基礎を築く。
・アルキメデス 物理学・数学の発展に貢献。
・ローマ帝国では法律学が発展（ユスティニアヌス法典）。

(1) キリスト教と学問 ・ローマ帝国崩壊後、修道院や教会が知識の伝承を担う。 ・アウグスティヌスは神学とプラトン哲学を統合。 (2) イスラム世界の学問 ・バグダードの知恵の館（House of Wisdom）でギリシャ・ローマの文献をアラビア語に翻訳。 ・アル・フワーリズミー 代数学（Algebra）を発展。 ・イブン・シーナー（アヴィケンナ） 『医学典範』を執筆。 ・イブン・ルシュド（アヴェロエス） アリストテレス哲学をヨーロッパへ伝える。 (3) ヨーロッパの大学の誕生 ・12～13世紀にボローニャ大学、パリ大学、オックスフォード大学が設立。 ・スコラ学（Scholasticism） 神学と論理学を結びつける（トマス・アクィナス）。 ・自由七学芸（リベラルアーツ）が学問の基盤（文法・修辞・論理、算術・幾何・音楽・天文学）。

(1) ルネサンスと科学の復興 ・古典文献の復活、芸術・人文学（ヒューマニズム）の発展。 ・コペルニクス 地動説を提唱。 ・ガリレオ・ガリレイ 観察と実験を重視（科学的方法の先駆者）。 (2) 科学革命（17世紀） ・デカルト 方法的懐疑と合理主義（『方法序説』）。 ・ニュートン 『プリンキピア』で万有引力を発見。 ・ベーコン 帰納法による科学的方法を確立。 (3) 啓蒙時代（18世紀） ・理性と経験に基づく知識の追求。 ・カント 「啓蒙とは何か？」→「人間の知的自立」。 ・百科全書派（ディドロ、ダランベール）が学問を体系化。

(1) 産業革命と科学の発展 ・ダーウィン 『種の起源』で進化論を提唱。 ・マクスウェル 電磁気学を統一。 ・メンデル 遺伝法則を発見。 (2) 大学と学問の専門化 ・19世紀、ドイツのフンボルト大学モデルが世界に広まる（研究と教育の統合）。 ・科学、人文、社会科学が細分化される。 (3) 20世紀の学問 ・アインシュタイン 相対性理論を確立。 ・量子力学（ボーア、ハイゼンベルク、シュレーディンガー）が発展。 ・フロイト 精神分析を創始。 ・社会科学の発展（ウェーバー、デュルケーム、パーソンズ）。

(1) 情報革命と学問の変容 ・AI・データサイエンス 機械学習やビッグデータ解析が急成長。 ・バイオテクノロジー ゲノム編集（CRISPR-Cas9）などの進展。 ・宇宙科学 民間宇宙開発（スペースX）や量子コンピュータの研究が進む。 (2) 学際的研究と融合 ・学問の細分化から統合へ。 ・サステナビリティ（持続可能な発展）が重要テーマに。 ・オンライン教育の普及（MOOC、デジタル学習）。