食文化・料理

青製煎茶(あおせいせんちゃ)製法 ―「淹れる茶」を成立させた工程体系

青製煎茶(あおせいせんちゃ)製法 ―「淹れる茶」を成立させた工程体系 食文化・料理
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青製煎茶(あおせいせんちゃ)製法 ―「淹れる茶」を成立させた工程体系

朝露の残る茶畑。 摘まれた葉は、間を置かず蒸気へ送られる。 色を止め、香りを閉じ込める—— その一手が「注ぐだけの茶」を可能にしました。

青製煎茶とは何か

青製煎茶(あおせいせんちゃ)とは、 蒸しによって発酵を止め、揉みによって抽出性を高めた煎茶の製法体系 を指します。 江戸時代中期に宇治で整理・普及し、 煮出しを前提としない「淹茶(注湯抽出)」 を安定的に成立させました。 この体系化により、煎茶は日常的な飲み方として定着します。

成立の背景

それ以前の茶葉は、 蒸しが浅く、揉みも不十分で、 短時間の注湯では味が安定しませんでした。
青製煎茶は、
・発酵停止の確実化
・細胞破壊の徹底
・乾燥による再現性確保
という三点を揃えることで、 誰が淹れても一定の味が出る茶葉 を目指しました。

工程の全体像

青製煎茶の核心は、 蒸し→揉み→乾燥 を段階的・反復的に行う点にあります。 以下は代表的な工程整理です。
工程 内容 目的
蒸し 摘採直後に短時間蒸す 発酵停止・色保持
粗揉み 葉をほぐし水分を動かす 成分移動の準備
揉捻 圧をかけて繊維を壊す 抽出性向上
再乾・整形 水分調整と形の安定 保存性・再現性

蒸しの革新

青製煎茶の蒸しは、 短時間・均一 が原則です。 これにより、 葉緑素が保たれ、 青みのある色調と爽快な香りが残ります。 蒸し過多は苦味を生み、 蒸し不足は発酵を招くため、 火加減と時間管理が要点でした。

揉みの体系化

揉みは単なる整形ではありません。 反復的な揉捻によって、 細胞壁を破壊し、 アミノ酸や香気成分が 短時間の注湯で溶出する状態 を作ります。 この工程の徹底が、 煮茶・烹茶からの決別を可能にしました。

淹茶との関係

青製煎茶製法が整ったことで、 急須に湯を注ぐだけで成立する淹茶 が一般化します。
・火を使わない
・少量抽出
・香りと色を味わう
という煎茶の作法は、 この製法を前提に成立しました。

人物との関係

この製法の体系化と普及に大きく関わった人物が、 永谷宗円です。 宗円は発明者というより、 工程を整理し、再現可能な形に整えた存在と位置づけられます。

まとめ

青製煎茶製法は、 茶を「煮るもの」から 「注いで味わうもの」へと変えました。 蒸しで色を止め、 揉みで成分を開き、 乾燥で再現性を得る。 この地道な工程の積み重ねが、 急須の一杯を日常にしました。 今の煎茶は、 この製法の延長線上にあります。
「工程を整えることは、味を自由にすることだ」

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