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和三盆糖の歴史 ― 磨かれてきた「日本の白い甘さ」

和三盆糖の歴史 ― 磨かれてきた「日本の白い甘さ」 食文化・料理
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和三盆糖の歴史 ― 磨かれてきた「日本の白い甘さ」

乾いた冬の朝、干菓子をひとつ口に含むと、音もなくほどけていく甘さがあります。和三盆糖は、主張せず、しかし確かに記憶に残る――日本の風土と時間が磨き上げた砂糖です。

和三盆糖とは何か

和三盆糖(わさんぼんとう)は、 サトウキビを原料とする国産の高級砂糖です。

・ 主産地:徳島県(阿波)、香川県(讃岐)
・ 原料:在来種サトウキビ(細茎・低糖度)
・ 特徴:きめ細かく、口どけが非常に良い
日本独自の製法によって作られる、 伝統的な白砂糖です。

起源 ― 黒砂糖からの改良

和三盆糖の起源は、江戸時代の製糖改良にあります。

・ 当初の砂糖:黒砂糖(含蜜糖)
・ 問題点:雑味・保存性・用途の限定
・ 改良方向:蜜分を除き、純度を高める
黒砂糖を「磨く」発想から、 和三盆糖への道が始まりました。

江戸時代中期 ― 阿波・讃岐での確立

18世紀頃、阿波・讃岐で独自の製法が確立します。

・ 「白下糖(しろしたとう)」を源糖に使用
・ 灰汁を使い、蜜を抜く
・ 手作業で何度も攪拌・圧搾
この工程を繰り返すことで、 淡い黄白色の砂糖が生まれました。

「研ぎ(とぎ)」という製法思想

和三盆糖最大の特徴は、研ぎと呼ばれる工程です。

・ 盆の上で糖を広げる
・ 水を含ませ、蜜を絞る
・ これを何度も繰り返す
「削る」のではなく、 余分なものを落としていく製法です。

なぜ阿波・讃岐だったのか

和三盆糖がこの地域で発展した理由は明確です。

・ 温暖で雨の少ない瀬戸内気候
・ 藩の財政政策としての製糖奨励
・ 上方文化(京都・大坂)への供給拠点
地理・政治・文化が重なった場所でした。

和菓子文化との結びつき

和三盆糖は、京菓子文化と強く結びつきます。
・ 干菓子(落雁・有平糖)
・ 押し物
・ 茶席菓子
強い甘さではなく、 茶の苦味を邪魔しない甘さが重宝されました。

近代以降の変化と希少性

近代化により、和三盆糖は次第に希少になります。
・ 効率の良い精製糖の普及
・ 手作業工程の多さ
・ 原料サトウキビの限定性
現在は、 工芸品に近い砂糖として位置づけられています。

まとめ

和三盆糖は、 黒砂糖から始まった日本の製糖技術が、 「削る」「磨く」という思想に到達した結果です。 甘さを足すのではなく、 余分を引き算することで生まれた甘さ―― それが和三盆糖の本質です。
「最上の甘さは、足すことではなく、残すことから生まれる。」 ― 和三盆づくりの思想

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