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液晶の種類 ― 見え方の違いは「方式」の違いです

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液晶の種類 ― 見え方の違いは「方式」の違いです

液晶は一種類ではありません。
何を、どう見せるかで中身は大きく変わります。

液晶の基本的な考え方

液晶(LCD)は、 自ら発光せず、光を制御して表示する方式です。

 そのため、
・ 表示の作り方
・ 光の当て方
・ 電極の配置
によって、用途別に多くの種類が生まれました。

セグメント液晶

あらかじめ決められた形だけを表示する液晶です。

・ 数字 ・ 記号 ・ 固定アイコン が主用途で、 炊飯器・電子レンジ・時計・計測器に使われます。

特徴は、
・ 超低消費電力
・ 構造が単純
・ 長寿命
「家電向け液晶の原点」と言える存在です。

キャラクタ液晶(文字表示液晶)

文字単位で表示する液晶です。

代表例は、
・ 16×2行
・ 20×4行
内部では、 1文字=小さなドットマトリクス として構成されています。
制御が容易で、 業務機・制御パネルで今も現役です。
項目 セグメント キャラクタ
表示 固定 文字
自由度
用途 家電 制御表示

グラフィック液晶

ドット単位で自由に描画できる液晶です。

 例:
・ 128×64
・ 240×128
アイコンや簡単な図形、 独自UIが表示できます。
ただし、
・ 制御が複雑
・ 消費電力が増える
というトレードオフがあります。

TFT液晶(カラー液晶)

各画素にトランジスタを持つ高精細液晶です。

 ・ スマートフォン
・ テレビ
・ カーナビ
などに使用されます。
高画質ですが、
・ 消費電力が高い
・ 構造が複雑
・ 修理難度が高い
という特徴があります。

有機ELとの違い

近年比較される有機ELは、 自発光方式です。

 ・ 黒が締まる
・ 薄型
一方で、
・ 焼き付き
・ 経年劣化
という別の弱点を持ちます。
家電操作部では、 今も液晶が選ばれる理由があります。

用途別・液晶方式一覧

用途 主な液晶方式
家電操作部 セグメント / キャラクタ
計測器 セグメント / グラフィック
業務機UI キャラクタ / グラフィック
映像表示 TFT液晶 / 有機EL

まとめ

・ 液晶は用途別に複数の方式がある
・ 家電は低消費電力・固定表示が最優先
・ 高精細=優秀とは限らない
・ 構造が単純なほど長く使える
・ 表示方式の選択は思想の反映
名言 「技術の価値は、新しさではなく、役割の明確さで決まる。」
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