セスキ炭酸ソーダ（Na₂CO₃·NaHCO₃·2H₂O、炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムの中間塩）の歴史

・19世紀後半 炭酸ナトリウム（ソーダ灰）や重曹（炭酸水素ナトリウム）の化学が確立。
・その中間塩として「炭酸ナトリウム水和物」と「重炭酸ナトリウム」が結合した セスキ炭酸ソーダ が鉱物としても天然に存在（トロナ鉱）。
・化学的には安定で、水に溶けやすく、弱アルカリ性を示す。

 ・20世紀初頭 米国ワイオミング州などで「トロナ鉱石」が発見・採掘される。
・セスキ炭酸ソーダはその主成分であり、ガラス製造や洗浄用アルカリ剤 として利用開始。
・日本では炭酸ソーダや重曹に比べると後発的で、工業用原料として輸入される形で流通。

 ・1960〜70年代 洗剤原料や工業用洗浄剤として利用される。
・1990年代以降 合成洗剤の環境負荷が問題化し、エコクリーニング素材 として再評価。
・「重曹よりアルカリが強いが、炭酸ソーダほど強すぎない」中間的な性質が家庭利用にちょうど良いと注目される。

 2000年代 「ナチュラルクリーニング」ブームとともに普及。
・油汚れ・皮脂汚れ・消臭に効果的。
・スプレー化が容易（重曹は水に溶けにくいが、セスキは溶けやすい）。

現在
・「セスキ炭酸ソーダスプレー」として市販されるほか、粉末で販売され家庭用掃除の定番に。 ・重曹より強力、過炭酸より穏やか、という中間的な立ち位置。