漂白剤の歴史‐白さを求める心が、化学を進歩させた

古代エジプト・ギリシャ
・布の漂白は 太陽光・水・灰汁（アルカリ） を利用。
・酸素や塩素は知られておらず「自然漂白」。

中世ヨーロッパ
・亜麻布を川にさらし、草地に広げて日光で漂白する「草地漂白」が主流。
・長時間かかるため高価だった。

 ・1774年 シェーレが 塩素（Cl₂） を発見。
・1780年代 フランスの化学者ベルトレーが 塩素に漂白作用がある ことを発見。
・これにより「布を薬品で短時間漂白」する革命が始まる。

・1799年 漂白粉（次亜塩素酸カルシウム Ca(OCl)₂）が登場。
・繊維・紙パルプ工業に普及し、大量生産の基盤に。
・19世紀後半 次亜塩素酸ナトリウム（NaOCl）が開発され、液体漂白剤の原型となる。

 ・1818年 フランスの化学者テナールが 過酸化水素（H₂O₂） を発見。
・19世紀後半 工業化され、繊維・紙の漂白に利用開始。
・20世紀 家庭用として 酸素系漂白剤（ワイドハイター等） が普及。
・過炭酸ナトリウム（固体粉末） も酸素系漂白剤として普及し、環境にやさしい漂白剤として評価。

・塩素系漂白剤（ハイター、Clorox） → 強力・即効・白物専用・カビ退治に活躍。
・酸素系漂白剤（ワイドハイター、過炭酸ナトリウム） → 色柄物対応・臭い控えめ・環境負荷が少ない。

現代のトレンド
・エコ・安全志向で酸素系が注目 ・医療分野や除菌需要で塩素系も依然重要

 ・古代 太陽・水・灰汁による自然漂白
・18世紀 塩素の発見で化学漂白の幕開け
・19世紀 塩素系漂白剤の工業普及
・19世紀後半〜20世紀 酸素系漂白剤の登場と家庭用普及
・現代 塩素系＝強力、酸素系＝エコ、と使い分け