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ナポリにおけるパスタの歴史‐港町の風と太陽が育てた“乾燥小麦の芸術”

ナポリにおけるパスタの歴史‐港町の風と太陽が育てた“乾燥小麦の芸術” 食文化・料理
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ナポリにおけるパスタの歴史‐港町の風と太陽が育てた“乾燥小麦の芸術”

ナポリにおけるパスタの歴史を時系列で詳しくご紹介します。 ナポリは南イタリア最大の港町であり、「乾燥パスタの首都」とも呼ばれるほど、パスタ文化の発展に深く関わっています。

1. 中世(9〜13世紀) — 乾燥パスタの萌芽

アラブ世界の影響
9世紀頃、シチリア島に伝わったデュラム小麦を使った乾燥パスタ技術が、交易を通じてカンパニア地方にも伝来。
地理的条件
ナポリ周辺は温暖で風が強く、乾燥パスタの天日干しに理想的な気候。
港町としての役割
交易港として地中海各地とつながり、小麦や製麺技術が集まった。

2. ルネサンス期(15〜16世紀) — 都市食文化の発展

・ナポリはスペイン支配下で人口が急増、庶民の主食としてパスタの需要が高まる。
・当時は手でこねて作る生パスタが多かったが、徐々に長期保存可能な乾燥パスタが普及し始める。

3. 17〜18世紀 — 「マカロニ食い」の時代

17世紀末〜18世紀初頭
大航海時代を経て、新大陸からトマトが伝来。 18世紀半ば、ナポリ庶民がトマトソースと乾燥パスタを組み合わせる食文化が広まる。
「マッカローニ(Maccheroni)」
当時はスパゲッティを含むロングパスタ全般を指す言葉で、ナポリ庶民が路上でフォークや手づかみで食べる姿が旅行記や絵画に残る。

4. 18〜19世紀 — 製麺業の発展

グラニャーノ(Gragnano)
ナポリ近郊の町で乾燥パスタの大量生産が確立。風通しの良い丘陵地での天日干しが名物となる。
押出機(トラフォーロ)の登場
ブロンズ製ダイスで成形する技術が発達し、スパゲッティやリングイネなど形状が多様化。
・ナポリはイタリア国内でも屈指のパスタ生産地に。

5. 19世紀後半〜20世紀初頭 — 世界への拡散

・イタリア南部からの移民がアメリカや南米へパスタ文化を持ち込み、ナポリ式スパゲッティが海外で定着。
・ナポリの港から乾燥パスタが輸出され、国際商品としての地位を確立。

6. 20世紀 — 工業化とブランド化

・製造が天日干しから温度・湿度管理された乾燥室へ移行。
・ディ・マルティーノ(Di Martino)、ガロファロ(Garofalo)などナポリ・グラニャーノ系ブランドが世界展開。
・ナポリ式トマトソーススパゲッティが国際的なイタリア料理の象徴に。

7. 現代(21世紀〜) — 伝統と保護

・グラニャーノ産パスタがEUのDOP(原産地名称保護)認証を取得(2013年)。
・観光業と連動し、「ナポリ=ピザとパスタの町」というブランドイメージを確立。
・伝統的製法を守る職人系メーカーと、大手輸出ブランドが共存。

ナポリ パスタ史 年表

年代 出来事
9世紀 アラブ由来の乾燥パスタ技術が南イタリアへ伝来。
15世紀 ナポリ都市部で庶民食としてパスタ普及。
18世紀半ば トマトソース+乾燥パスタ文化が定着。
19世紀 グラニャーノがパスタ大量生産地に。
19世紀末 移民を通じて世界へ拡散。
2013年 グラニャーノ産パスタがDOP認証取得。
💡 まとめ 「ナポリのパスタは、港町の風と太陽が育てた“乾燥小麦の芸術”である。」

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