パスタ史「アラブ世界と乾燥麺技術の伝播」について

・時代 9〜10世紀
・地域 アラブ帝国は北アフリカから中東、地中海東岸まで広大な交易ネットワークを構築。
・交通手段 地中海交易船、キャラバン隊を通じて食材や調理技術が広がった。

 ・アラブ世界では、保存性と携行性の高い乾燥小麦食品が発達。
・呼称は「イトリヤ（itriyya）」や「イトリア」とされ、棒状または短い切麺状にして乾燥させた。
・材料はデュラム小麦のセモリナ粉と水、塩。硬質小麦のたんぱく質含有量が高く、乾燥後も形状を保持できた。

 シチリア島
・9世紀、アグラブ朝（現在のチュニジアを拠点とするイスラム王朝）がシチリアを支配。
・乾燥パスタ製法が持ち込まれ、現地でも生産が始まる。
・南イタリア ・シチリアからカラブリア、カンパニア（ナポリ）へ広まり、保存食・交易品として普及。

 ・この乾燥麺技術は、イタリア南部にパスタ文化が根付く土台となった。
・海外交易と温暖な気候により、生産→乾燥→輸出が容易で、後にナポリやジェノヴァがパスタの生産拠点となる。