抜き衿の技法 ― 「引き算」で首元を完成させる

抜き衿は感覚ではありません。 構造・順序・量を守って初めて、美として成立します。
抜き衿は「着方」ではなく「操作」
抜き衿は、 「衿を後ろに引く」行為に見えますが、 実際は複数の操作の結果として生まれます。
・ 衿を引かない
・ 肩を落とさない
・ 前を崩さない
・ 肩を落とさない
・ 前を崩さない
そのうえで、 背中側だけに余白を作る。 これが、 技法としての抜き衿です。
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技法①|抜くのは「衿」ではなく「身頃」
初心者が最も誤解しやすい点です。
❌ 衿を後ろに引く
⭕ 身頃を背中側へ送る
⭕ 身頃を背中側へ送る
具体的には、
・ 背中中央を軽く下へ送る
・ 肩線は動かさない
・ 前衿は一切引かない
・ 背中中央を軽く下へ送る
・ 肩線は動かさない
・ 前衿は一切引かない
衿は結果として下がるだけで、 直接操作する対象ではありません。
技法②|衣紋は「点」で作る
抜き衿は、 背中全体で作るものではありません。
基準点は、 背中心(第七頸椎付近)。
・ ここに影が落ちる
・ 左右対称
・ 線ではなく点
この一点が決まると、 衿全体が自然に弧を描きます。
・ ここに影が落ちる
・ 左右対称
・ 線ではなく点
この一点が決まると、 衿全体が自然に弧を描きます。
抜き衿は、 線を作らず、影を作る技法です。
技法③|量は「指一本半〜二本」
抜き衿で最も重要なのが、 量の制御です。
目安:
・ 日常着:指一本半
・ 礼装 :指二本程度
・ 日常着:指一本半
・ 礼装 :指二本程度
これ以上抜くと、
・ だらしない
・ 古臭い
・ 下品
と見られがちです。
・ だらしない
・ 古臭い
・ 下品
と見られがちです。
抜き衿は、 足りないくらいが正解です。
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技法④|衣紋抜きは「補助具」
衣紋抜きは、 抜き衿を作る道具ではありません。
役割は、
・ 量を固定する
・ 左右差を防ぐ
・ 崩れを防止する
つまり、 一度作った抜き衿を保つ装置です。
・ 量を固定する
・ 左右差を防ぐ
・ 崩れを防止する
つまり、 一度作った抜き衿を保つ装置です。
衣紋抜きがない場合でも、 技法そのものは成立します。
技法⑤|前衿と喉元は「詰める」
抜き衿が美しく見える条件は、 前が詰まっていることです。
・ 喉元が浮かない
・ 左右が揃う
・ 衿先が暴れない
・ 左右が揃う
・ 衿先が暴れない
前が緩いと、 後ろを抜いても 「だらしなさ」にしか見えません。 前を詰めて、後ろに余白 これが基本構造です。
技法⑥|動いたあとに「直さない」
所作の中で、 抜き衿は多少変化します。
重要なのは、
・ 触らない
・ 引き直さない
・ 追いかけない
抜き衿は、 固定しすぎると死ぬ技法です。
・ 触らない
・ 引き直さない
・ 追いかけない
抜き衿は、 固定しすぎると死ぬ技法です。
少し動き、 少し変わる余白こそが、 生きた抜き衿です。
よくある失敗例
・ 衿を直接引いてしまう
・ 抜きすぎる
・ 肩が落ちている
・ 前衿が緩い
・ 背中全体が下がっている
・ 抜きすぎる
・ 肩が落ちている
・ 前衿が緩い
・ 背中全体が下がっている
これらはすべて、 「操作対象を間違えた結果」です。
正しくは、 身頃 → 点 → 量 の順で整えます。
正しくは、 身頃 → 点 → 量 の順で整えます。
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まとめ
・ 抜き衿は身頃操作で作る
・ 衿は結果として下がるだけ
・ 背中心の一点が基準
・ 量は控えめが正解
・ 前を詰め、後ろに余白
・ 衿は結果として下がるだけ
・ 背中心の一点が基準
・ 量は控えめが正解
・ 前を詰め、後ろに余白
名言 「引いた分だけ、美は語る。 抜き衿とは、布ではなく余白を操る技法である。」
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