女子着物を男子着物に採寸する ― 「直す」のではなく「読み替える」

女子着物を男子着物として着るために必要なのは、 仕立て替えよりもまず「寸法思想の読み替え」です。
結論:可能だが、そのままでは合わない
女子着物を男子着物として採寸・着用することは可能です。
ただしそれは、
・ 女子寸法を流用する
・ 多少短く着る
という話ではありません。
女子着物と男子着物は、 寸法の基準点そのものが異なる ため、 採寸思想を男子側に変換 する必要があります。
・ 女子寸法を流用する
・ 多少短く着る
という話ではありません。
女子着物と男子着物は、 寸法の基準点そのものが異なる ため、 採寸思想を男子側に変換 する必要があります。
女子着物と男子着物の寸法思想の違い
| 項目 | 女子着物 | 男子着物 |
|---|---|---|
| 身丈 | おはしょり前提 | 対丈(完成丈) |
| 腰位置 | 高め | 低め(腰骨) |
| 裄 | やや長め | 動作優先 |
| 袖 | 装飾・揺れ | 動作・収まり |
女子着物は調整して着る衣、 男子着物は決めて着る衣です。
① 身丈の読み替え(最重要)
女子着物の身丈は、 必ず長く作られています。
男子着物では、
・ おはしょりを作らない
・ 腰で折らない ため、
女子身丈 = 男子には長すぎる のが基本です。
・ おはしょりを作らない
・ 腰で折らない ため、
女子身丈 = 男子には長すぎる のが基本です。
目安: ・ 女子身丈 − 20〜30cm → 男子身丈相当
※ これは身長・体型で前後します。
※ これは身長・体型で前後します。
② 腰位置を下げて考える
女子着物は、 へそ付近を基準に着付けられます。
男子着物では、 腰骨付近が基準。
そのため、 同じ身丈でも、 実際の裾位置が大きく変わる 点に注意が必要です。
そのため、 同じ身丈でも、 実際の裾位置が大きく変わる 点に注意が必要です。
採寸時は必ず、 男子の腰位置で仮当て して判断します。
③ 裄は「長さ」より「可動域」
女子着物の裄は、
・ 見た目重視
・ 手元を覆う設計です。
・ 見た目重視
・ 手元を覆う設計です。
男子着物では、
・ 袖口が邪魔にならない
・ 腕が自然に前に出る
ことが重要。
・ 袖口が邪魔にならない
・ 腕が自然に前に出る
ことが重要。
女子裄は そのまま使える場合も多いですが、 長すぎる場合は、 1〜2cm詰める と動作が安定します。
④ 袖丈・袖幅の考え方
女子着物の袖は、
・ 長い
・ 深い
傾向があります。
・ 長い
・ 深い
傾向があります。
男子着物では、
・ 袖丈は短め
・ 袖幅は動作優先 が基本。
・ 袖丈は短め
・ 袖幅は動作優先 が基本。
完全に男子仕様にする場合は、 袖丈を詰め、袖口を浅く する必要がありますが、 普段着・試用であれば、 そのままでも成立します。
⑤ 実用レベルでの現実的手順
女子着物を男子着物として使う場合の 現実的な流れは以下です。
1. 身丈を男子対丈基準で決める
2. 腰位置を下げて仮着
3. 裄・袖の邪魔感を確認
4. 必要最小限のみ直す
2. 腰位置を下げて仮着
3. 裄・袖の邪魔感を確認
4. 必要最小限のみ直す
すべてを直そうとすると、 コストも布も足りません。
重要なのは、 所作が破綻しないことです。
向いている着物・向かない着物
向いている:
・ 小紋
・ 木綿
・ 銘仙
・ 紬
・ 小紋
・ 木綿
・ 銘仙
・ 紬
向かない:
・ 振袖
・ 極端に長い袖
・ 柔らかすぎる絹
・ 振袖
・ 極端に長い袖
・ 柔らかすぎる絹
特に、 銘仙・木綿は 非常に相性が良いです。
まとめ
・ 女子着物は男子寸法に読み替える
・ 身丈は対丈基準で再設定
・ 腰位置の違いが最大の差
・ 裄と袖は動作で判断
・ 完璧より実用を優先する
・ 身丈は対丈基準で再設定
・ 腰位置の違いが最大の差
・ 裄と袖は動作で判断
・ 完璧より実用を優先する
名言「衣は性別で決まるのではない。どの身体で、どう動くかで決まる。」
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