用の美（ようのび）― 使われることで完成する美のかたち
「美しいから使う」のではありません。 使われ続けた結果として、静かに立ち現れるもの―― それが柳宗悦の唱えた「用の美」です。
用の美とは
用の美（ようのび）とは、 実際に使われることによって生まれ、完成していく美 を指す言葉です。
・ 鑑賞のために作られた美ではない
・ 目立つことを目的としない
・ 日常の中で自然に現れる
という点が最大の特徴です。
・ 目立つことを目的としない
・ 日常の中で自然に現れる
という点が最大の特徴です。
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柳宗悦が「用」に注目した理由
柳宗悦は、 近代以降の社会で
・ 美は特別なもの
・ 美は高価なもの
・ 美は展示されるもの
と考えられるようになったことに、 強い違和感を抱きました。
・ 美は特別なもの
・ 美は高価なもの
・ 美は展示されるもの
と考えられるようになったことに、 強い違和感を抱きました。
本来、美は 生活の中に溶け込んでいるもの だったはずだ―― そこから「用の美」という概念が生まれます。
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用の美の条件
柳宗悦が見出した「用の美」には、共通する条件があります。
・ 無名であること
・ 実用を第一にしていること
・ 繰り返し使われること
・ 健全な素材であること
作り手の主張よりも、 使い手の生活が優先される 点が重要です。
・ 無名であること
・ 実用を第一にしていること
・ 繰り返し使われること
・ 健全な素材であること
作り手の主張よりも、 使い手の生活が優先される 点が重要です。
着物における用の美
着物は本来、
・ 日常着
・ 労働着
・ 稽古着
として使われてきました。
・ 日常着
・ 労働着
・ 稽古着
として使われてきました。
特に 紬・木綿・麻は、 用の美の典型です。 派手さはなくとも、 着るほどに身体になじみ、風合いが増す それこそが美とされました。
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男着物と「用の美」
男着物の美意識は、
・ 表は地味
・ 無地・織で語る
・ 羽裏や仕立てに凝る
という構造を持ちます。
・ 表は地味
・ 無地・織で語る
・ 羽裏や仕立てに凝る
という構造を持ちます。
これは、 人に見せる美ではなく、自分が使う美 まさに用の美の思想そのものです。
正絹と用の美は矛盾しない
「用の美＝安価な素材」 と誤解されがちですが、これは正しくありません。
正絹であっても、
・ 無理な装飾をせず
・ 生活の中で誠実に使われていれば、 それは用の美を備えた布 と考えられます。
・ 無理な装飾をせず
・ 生活の中で誠実に使われていれば、 それは用の美を備えた布 と考えられます。
重要なのは価格ではなく、 使われ方です。
茶道と用の美
茶道は、 用の美が最も純粋に残る世界です。
・ 使いにくい道具は退けられる
・ 目立つ道具は嫌われる
・ 使いやすく、静かなものが残る
着物においても、 控えめで実用的な装い が尊ばれます。
・ 使いにくい道具は退けられる
・ 目立つ道具は嫌われる
・ 使いやすく、静かなものが残る
着物においても、 控えめで実用的な装い が尊ばれます。
用の美は「結果」である
用の美は、 意図して作るものではありません。
・ 使われ
・ 繰り返され
・ 生活に耐え た結果として、 後から立ち上がってくる美です。 だからこそ、真似できない とも言えます。
・ 使われ
・ 繰り返され
・ 生活に耐え た結果として、 後から立ち上がってくる美です。 だからこそ、真似できない とも言えます。
まとめ
・ 用の美とは、使われることで完成する美
・ 柳宗悦が民藝思想の中核として提示
・ 紬・男着物と非常に親和性が高い
・ 正絹とも思想的に矛盾しない
・ 茶道に今も色濃く残る
・ 柳宗悦が民藝思想の中核として提示
・ 紬・男着物と非常に親和性が高い
・ 正絹とも思想的に矛盾しない
・ 茶道に今も色濃く残る
名言「美は作られるものではなく、使われ続けた結果として残るものである」
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