脂肪酸の種類別 石鹸の性質比較表

石鹸は「脂肪酸ナトリウム(R–COONa)」ですが、どの脂肪酸から作るかで 泡立ち・硬さ・洗浄力・肌へのやさしさ が変わります。ここでは 脂肪酸の種類別に、界面活性作用(親水性/疎水性バランス)を踏まえた石鹸の性質 をご紹介します。
| 脂肪酸 | 主な油脂原料 | 石鹸の性質(界面活性作用) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ラウリン酸 (C12:0) | ココナッツ油、パーム核油 | 泡立ち◎(豊富なきめ細かい泡)、洗浄力が強い(油をよく乳化) | 泡立ち石鹸の中心。脱脂力が強く乾燥肌にはやや刺激的。 |
| ミリスチン酸 (C14:0) | ココナッツ油、パーム核油、バター類 | 泡立ち◎、硬さアップ | ラウリン酸に似るが、ややマイルド。 |
| パルミチン酸 (C16:0) | パーム油、牛脂 | 硬さ↑、泡立ちは普通 | 石鹸を固くする性質。保存性が良く形崩れしにくい。 |
| ステアリン酸 (C18:0) | 牛脂、シアバター、ココアバター | 硬さ↑、クリーミーな泡 | 高級石鹸やシェービングソープに重要。 |
| オレイン酸 (C18:1, 一価不飽和) | オリーブ油、アボカド油 | 泡立ちは弱いが、保湿性◎、肌にやさしい | 「キャスティール石鹸」の主成分。敏感肌向け。 |
| リノール酸 (C18:2, 多価不飽和) | サフラワー油、グレープシード油 | 泡立ち弱い、保湿性◎、酸化しやすい | 乾燥肌向け石鹸に配合。酸敗に注意。 |
| リノレン酸 (C18:3, 多価不飽和) | アマニ油、シソ油 | 泡立ち弱い、保湿性◎、酸化しやすい | 敏感肌・保湿石鹸に少量利用。 |
| リシノール酸 (C18:1–OH) | ヒマシ油 | 泡立ち○、グリセリン様のとろみ、保湿性◎ | 透明石鹸・液体石鹸の泡安定化に必須。 |
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✅ ポイント整理
・ラウリン酸・ミリスチン酸系 → 泡立ち・洗浄力強め(界面活性力↑)。
・パルミチン酸・ステアリン酸系 → 石鹸を硬くし、クリーミーな泡を作る。
・オレイン酸・リノール酸系 → 保湿重視、肌にやさしいが泡立ちは弱い。
・リシノール酸 → 泡の安定性と保湿性を高める特殊役割。
・パルミチン酸・ステアリン酸系 → 石鹸を硬くし、クリーミーな泡を作る。
・オレイン酸・リノール酸系 → 保湿重視、肌にやさしいが泡立ちは弱い。
・リシノール酸 → 泡の安定性と保湿性を高める特殊役割。
👉 つまり石鹸は 界面活性作用(親水・疎水のバランス) が脂肪酸の組成によって変わり、洗浄力・泡・保湿性・肌当たりが決まります。
📝 まとめ
・石鹸=脂肪酸ナトリウムの集合体だが、脂肪酸ごとに界面活性の性質が異なる。
・ラウリン酸系で「泡・洗浄力」、オレイン酸系で「保湿」、パルミチン酸系で「硬さ」を補い、組み合わせで性質が調整される。
・ラウリン酸系で「泡・洗浄力」、オレイン酸系で「保湿」、パルミチン酸系で「硬さ」を補い、組み合わせで性質が調整される。
📜 名言 「泡の質は、脂肪酸の個性の調和で決まる」– ソーパーの知恵
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